『LOFREE FLOW』レビュー|ロープロファイル版HHKBのような心地よい打鍵感のキーボード

キーボードに求めるモノって何だろう。
文字を打つ道具なので「指が疲れにくい心地良い打鍵感」が一番であることは間違いないが、実は打鍵音やデザインも大事だったりする。
打鍵音にはタイピングのリズムを整えてくれる役割があり、そしてその音が良い音であればあるほど脳に快楽が伝播され、タイピングの能率も上がっていく。
加えて、キーボードはデスクのド真ん中に君臨する、いわば主役級デバイスだ。
そんなキーボードの見た目がもしイマイチだったならば、デスク全体の美観を崩壊させてしまうだけでなく、作業に向かうモチベーションも無くなってしまうだろう。
もはやキーボードはただの道具ではない。デスクワークの未来を左右する運命共同体なのだ__
と、ここまでキーボードに対する持論を述べてきたわけだが、いま僕はこの文章を『LOFREE FLOW』というキーボードを使って打っている。

このキーボードは革命だ。僕が求めていたモノを“ほぼ完璧”に備えている。
少し触ってみてすぐメイン機に据えることを決めたし、もう当分はキーボード探しの旅に出る必要はないと思っているほど。
この世に完璧なモノはない。だが限りなく理想形に近いキーボードを手にした感動と実際の使用感についてレビューしていこう。

- アルミニウム製ボデイの美しいデザイン
- ロープロファイルで指や手首が疲れにくい
- 底打ち感の少ない心地よい打鍵感
- コトコトと気持ちいい打鍵音
- 高品質PBTキーキャップ採用で指が滑りにくい
- キーキャップや軸のカスタマイズが可能
- US配列のみ
- 傾斜調整ができない
- キーマッピングに非対応
『LOFREE FLOW』の特徴

『LOFREE FLOW』は、PC周辺機器を手掛けるメーカー・LOFREEがリリースしているロープロファイルキーボード。
正直なところ今回のご縁があるまで全く知らないメーカーだったけど、こんなにも素晴らしいプロダクトをつくっているのに今まで知らずに生きてきてすみません。
機能・スペック・付属品
わかりやすく簡潔にまとめてみた。
- 指への負担が少ないロープロファイルキーボード
- 高級感と耐久性の高いアルミニウム製ボディ
- RGBサイドライト&ホワイトバックライトを搭載
- テカらない&印字が剥げにくい高品質PBTキーキャップ
- 摩擦が少なくスムーズな感触を生む「Kailh製 POMスイッチ」を搭載
- 底打ち感を低減するガスケットマウント式
- ホットスワップ対応でスイッチの取り替えが簡単
- 最大3台までBluetooth接続が可能
- 最大40時間使用可能なロングバッテリー
- 技適取得済み(認証番号:211-230707)
RGBサイドライト&ホワイトバックライトはこんな感じ。


僕は基本OFFにしてるけど、ゲーミング系が好きな人には刺さるポイントかと。
『LOFREE FLOW』を使ってみて
ここからは、LOFREE FLOWを実際に使ってみて感じたことを語っていく。
もちろん今もLOFREE FLOWで文字を打っている。ちなみにブログは普段スマホで書くことが多いけれど、そんなことは誰も聞いてない。
アルミニウムの筐体が美しすぎる

キーボードはデザイン性も重要だと言ったが、決してアルミニウム筐体である必要はない。
だがアルミニウム筐体であることの何が良いかというと、僕のメインマシンであるMacBookとの相性がすこぶる良いのだ。

LOFREE FLOWの方が若干ギラつきがあって全く同じ質感というわけではないけれど、一緒に並べて使った時の美しさといったら。
考えただけでも脳汁がドバドバに止まらなくなりそうになるが、僕のデスクではMacBookをデスク裏に収納しているのでこの2つが交わることは無かったのだった。

それはさておき、素材もさることながらデザインがとにかく良い。程よい厚みのあるベゼルがアルミニウムの重厚感をうまく引き出している。
そして、その上に乗っかっているマットな白キーキャップとのコントラストがたまらない。

しかもこの白いキーキャップにオレンジの刻印を採用した人は天才か?この色の組み合わせ好きなんだよなぁ。
ロゴのプレートで色が切り返しになっていて、これがまた良い味を出している。無骨な工業製品にレトロな遊び心を足したような感じで。

ちなみに、LOFREE FLOWには着せ替え用のキートップもいくつか用意されている。
今回はそのうちの1つ「Retro」も一緒に頂いたんだけど、クラシックファミコンみを感じるこのカラーリングが最高すぎる。僕はGBA世代だが。

刻印されたフォントもレトロチックになっているところが憎い。
まぁ基本は白のまま使うと思うけれど、キーキャップを変えても美しいデザインが損なわれないのは素晴らしいなと。

率直に「今まで目にしてきたキーボードの中では一番美しい」と僕は思う。これは提供してくれたメーカーへの忖度ではなく素直な気持ちだ。
君になら僕の洗練されたデスクのド真ん中を明け渡してもいい。
極上のコトコトを奏でる至高の打鍵感

この打鍵感、もはやロープロファイル版HHKBである。
この喩えが正しいかは分からないが、感じ方は人それぞれだからとりあえず合っていることにしておこう。
それにしてもこの薄さで、確かなストロークと柔らかみのあるコトコト感を味わえるのは衝撃的だった。一体どんな構造になっているのか。
説明しよう。このLOFREE FLOWには新規開発の「Kailh製 POMスイッチ」とロープロファイルで世界初の「ガスケットマウント」が搭載されている。

- Kailh製 POMスイッチ:摩擦が少なく自己潤滑機能を持ち、時間の経過と共によりスムーズな感触を生み出す
- ガスケットマウント:キースイッチを保持するプレートを柔軟性のある素材で挟み込む構造で、心地よい打鍵感と静粛性に優れた構造を実現
この2つの要素が組み合わさることで、かつてない快適なタイピング感覚を生み出している。
とのことだが、正直難しい話はよく分からない。
でも確かに、キーを押下してみると自己潤滑機能のおかげか一切の引っかかりがなく、スッとヌルッと底に着くことができる。
そして、ほんの僅かにではあるが底まで打ち込むとキースイッチ全体が沈み込むようになっていて、このガスケット構造こそがうまく底打ち感を低減しているのだろう。
個人的には本家HHKBよりも打鍵感は好みだ。
HHKBの唯一無二なスコスコ感は語るまでもなく心地良いのだが、キーストロークが深く指や手首が疲れやすいのがイヤで結局手放してしまった。
それがロープロになったらどうだろう。もう無敵じゃないか。
これはキーボード界の歴史を塗り替える新鋭機になるかもしれない。そんな一台を手にできたことは喜ばしい体験だ。

さて、LOFREE FLOW ホワイトにはリニア軸(赤軸)が標準装備されているのだけど、実のところ赤軸はあまり好みではなかった。
打鍵音がね、うるさくはないんだけど甲高い金属のカチャカチャ音が耳に刺さるというか。心地良い音ではないと思っていた。
でもこのLOFREE FLOWの赤軸は打鍵音も極上で。まさしく「コトコト」と角が取れたマイルドな音が優しく脳と耳を刺激する。
どこまでリアルに伝わるか分からないけれど音も撮ってみたので聴いてみてほしい。タイピングが下手くそなのは目を瞑ってくれ。
ちなみに、タクタイル(茶軸)とクリッキー(青軸)の別売オプションも用意されている。
青軸も一緒にいただいて今回初めて使ってみたんだけど、これまたクセになるタイピング感覚で。


クリック時に指に伝わる振動と爽快な打鍵音が気持ち良すぎる。だが家族がいる部屋の中で使うには少々音が響くので、とりあえずデフォルトの赤軸に戻そう…。
しかしここまでくると茶軸も気になってくる。気になり過ぎて夜しか眠れなくなった。超健康体すぎる。
ブラックモデルは茶軸が標準装備なので気になる人はそちらを選ぶと良いだろう。
傾斜がもう少しあった方が好み

3.9度。どういう根拠でこんな傾斜角に設計されたのかは分からないけれど、個人的にはもう少し傾斜がついている方が好みだった。
「じゃあ何度なら納得するのか」と聞かれても、その時の気分や体調にも左右されるので明確な答えは出せない。
個人的には10°ぐらいあっても良いと思うけど、むしろ3.9°のままでも問題ない気がしてきた。
つまり何が言いたいのかというと傾斜調整機能を付けてくれ。
今後使っていくなかでどうしても傾斜角が気になるようなら、PCスタンドでも取り付けてみようと思う。
Enterキーの右にもう1列あるキー配列が永遠に慣れない

Enterを押したつもりがPage Up…。
Backspaceを押したつもりがHome…。
ここまでLOFREE FLOWで文字を打ってきた中で、何度このミスを犯したことか。
数えてはいないが52回は間違えた自信がある。間違えすぎだ。
念のため言っておくと、この配列はキーボード界隈でも人気の高いKeychronやLogicoolをはじめ、様々なキーボードで採用されているので決して特殊な配列というわけではない。
いわゆる75%キーボードってやつだ。だからLOFREE FLOWは何も悪くない。
ただ、この配列のキーボードを使うのが初めてということもあり、どうも指が判断を誤ってしまう。
またEnterと同じぐらい困っているのが、矢印右キーの位置だ。
直近でメイン使いしていたMX Keys miniはEnterと同じ列にあったので、その感覚が抜けなくてつい矢印下を押してしまう。
まぁこれは完全に慣れの問題なので、しばらくすれば解決する話なんだけど、僕と同じようにこの配列が苦手という人も多いらしい。
現時点ではキーマッピング非対応なので、キーの割り当てを変えられないのもネックである。
この右端列のないミニマルバージョンも出たら嬉しいなぁと密かに願っておこう。持ち運びもしやすくなるし。
とはいえ、この配列にも良い点が2つある。
1つはBackspaceの真上にDeleteがないこと。誤って消したくない文字を消す無駄なミスがなくなった。
もう1つは矢印キーの上・下がフルサイズになったことだ。コンパクトなキーボードはここがハーフサイズになっていることが多いが、断然フルサイズの方が押しやすい。
矢印右キーの操作感を犠牲した甲斐があったというものだ。
【デスクツアー】デスク周りのおすすめアイテム

下記の記事では、現在使っている「デスク周りのおすすめアイテム」をまとめて紹介しています。
こだわりのデスク環境に仕上がっているので、ぜひチェックしてみてください。
『LOFREE FLOW』レビューまとめ

というわけで、今回はロープロファイルキーボードの『LOFREE FLOW』をレビューしてみた。
- アルミニウム製ボデイの美しいデザイン
- ロープロファイルで指や手首が疲れにくい
- 底打ち感の少ない心地よい打鍵感
- コトコトと気持ちいい打鍵音
- 高品質PBTキーキャップ採用で指が滑りにくい
- キーキャップや軸のカスタマイズが可能
ざっと2週間ほど触れてからこの記事を書いているが、今まで使ってきたキーボードの中で一番しっくり来たという感触がある。
キー配列にまだ慣れていないせいでミスタッチはしまくりなんだけど、とにかく使っていて楽しいキーボードだ。
まず見た目が良いだけでテンションが上がるし、加えて打鍵感・打鍵音が良ければなおさら使い倒したくなる。
アルミボディの母艦は丈夫で耐久性に優れていて、キーキャップや軸も着せ替え可能なので、自分好みにカスタマイズしながら永く愛用できるデバイスとなるだろう。
そんなLOFREE FLOWは現在、Greenfundingで先行販売が行われている。
最大33%オフで購入できるチャンスなので、この機会にぜひチェックしてみてほしい。