『GENELEC 8010A』レビュー|最高の音を奏でるミニマルデザインな小型モニタースピーカー
プロも愛用する小型モニタースピーカーの終着点。
- ミニマルな北欧デザインがおしゃれ
- 高解像でフラットかつクリアな音質
- 環境に合わせたトーンコントロールが可能
- 省エネになる自動スタンバイモード機能を搭載
- 低音はやや控えめ
- 接続するXLRケーブルが設置面に干渉しやすい
『GENELEC(ジェネレック) 8010A』の特徴
こちらが今回紹介する、GENELICの『GENELEC 8010A』というモニタースピーカー。
GENELECは1978年創業の老舗ブランドで、その音質の良さからプロミュージャンの現場では「定番」と言われるぐらい使われています。
おもな特徴なこんな感じ。
- 北欧デザインのミニマルで可愛らしいルックス
- スタジオクオリティの最高音質
- デスクにも置きやすいコンパクトサイズ
- 環境に合わせたトーンコントロールが可能
- 省エネになる自動スタンバイモード機能を搭載
僕は音楽が好きで、推しアーティストの楽曲を聴いたり、ライブ映像を鑑賞するのが日々のささやかな楽しみで。
趣味でギターも弾いてるので、ゆくゆくは作曲(DTM)にも挑戦してみたいなぁなんて思ってます。
そんなわけで高音質なモニタースピーカーがずっと欲しかったんですが、やっぱり憧れを捨てきれませんでした。
僕の推しアーティストが使っているのを見て、いつかは自分も手にしたいなとずっと思ってたんですよね。で、購入。
実際に音を鳴らしてみると、もうね、とにかく「最高…!」のひとことに尽きます。
スペック・同梱品
カラー | ホワイト / ダークグレー / RAWフィニッシュ |
サイズ | 高さ:18.1cm 幅:12.1cm 奥行き:11.5cm |
重さ | 1.5kg |
素材 | ダイキャスト・アルミニウム |
ドライバー | 低域(コーン):φ76mm 高域(メタル・ドーム):φ19mm |
アンプ | 低域用アンプ:25W クラスD 高域用アンプ:25W クラスD |
周波数特性 | 74Hz – 20kHz(±2.5dB) 低域カットオフ -6dB:67Hz 高域カットオフ -6dB:25kHz |
高調波歪み | 70〜400Hz:≤3% 400Hz〜:≤0.5% |
接続端子 | アナログ入力(XLRメス / バランス / 10kΩ) |
消費電力 | ISS稼働時:≤0.5W アイドル時:≤5W 最大出力時:30W |
気になるであろうスペックはこんなところ。
8010Aはシリーズの中では最小モデルで、他に8020D・8030C・8040B・8050Bを含めて全5サイズが展開されています。
コンパクトサイズですが、25Wもの出力があるので一般家庭で使うには十分な音量が得られるはず。
外観デザイン
ひと目見てGENELECとわかる流麗なデザインが美しい。
購入したホワイトモデルは色が全体的にホワイト・グレーで統一されていて、ミニマルな外観に仕上がっています。この感じがめちゃくちゃ好み。
シルエットは全体的に曲面を描いていて可愛らしい感じなんですが、これは単にルックスを優先しているわけではなく。
カラーレーション(反響音による音の変化)を極限まで排除した設計ゆえのデザインになっています。
まさに「機能美」そのものといった感じで、そういうところにも心が惹かれるんですよね。
そしてサイズは、高さ18.1cm×幅12.1cm×奥行き11.6cmと非常にコンパクト。
140cm幅のデスクに置いても、圧迫感がなくて良きです。
ウーハーサイズは76mmでツイーター部分は19mm。小さい本体のわりには大きく、音質の向上に貢献しています。
また、前面右下には電源のON/OFFを示すLEDがあり、電源を入れると緑色に点灯します。
背面にはコントロールスイッチやコネクター、電源スイッチがまとまって配置。
入力コネクターはバランス接続ができるXLR型で、ノイズの少ない環境を構築できます。
下部には、ゴム製の「Iso-Pod」という専用設計スタンドがデフォルトで装着されていて。
これによってスピーカーを±15°傾けることが可能。振動を減衰させる特性も備えていて、不要な音の味付けを抑えることができます。
僕は、別途スタンドを導入したので今は取り外していますが、スタンドが初期装備されているのはありがたいですね。
『GENELEC 8010A』を使ってみて
ここからは、GENELEC 8010Aを実際に使ってみて感じたことを紹介していきます。
ミニマルな北欧デザインがおしゃれ
見た目でまず優勝!
スピーカーって直線的なフォルムが多いなか、この曲面を描いたデザインがほんとに美しくて。
僕のホワイト×ナチュラル調のデスクにもピッタリで、このスピーカーがあるだけで見た目レベルが爆上がりしました。
コスパを考えると『iLoud Micro Monitor』もいいかなぁって思ってたけど、見た目がどうしても気に入らなくて。
僕はデスク環境の全体の雰囲気にもこだわっているので、自分が納得できるデザインのスピーカーを選んでよかったなと思います。
まるでヘッドホンで聴いているかのような高解像度とクリアな音質
流石のスタジオクオリティ。
GENELECのスピーカーはプロ現場でも使われている代物なので、音質の良さは語るまでもなく“ホンモノ”。
モニタースピーカーらしく全音域が超フラットで、音がめちゃくちゃクリア。そして解像度が恐ろしいほど高い…!
独断と偏見にまみれた評価ですが、僕の印象をグラフ化するとこんな感じ。
− 総合評価 −
4.7/5
- 高音域:小さな音量でも澄んだ音でしっかりと再現してくれます。ドライで凛とした音なのでドラムのハイハットなどが気持ちよく聴けます。
- 中音域:ザ・フラット。面白みには欠けますが、ジャンルを問わずスッキリと正確に音を奏でてくれます。
- 低音域:筐体サイズの小ささゆえ迫力や音圧は抑え気味ですが、音はしっかり鳴っています。
- 解像度:まるでヘッドホンで聴いているかのようなクリアさで、各パートの音がしっかりと聞き取れます。
- 分離感:このサイズ感で考えると優秀です。音量をかなり上げるとやや雑味が増し音が混ざって聴こえます。。
- 定位感:どこから楽器が鳴っているかを正確に把握することができます。
- 音場:音が広がる感覚は少なく、自分の周辺でスポット的に良い音が響く印象。
- 傾向:優等生すぎるほど全体的にフラットで味付けがありません。良い音源は良い音で、悪い音源は悪いまま正確に音を再現します。
一言でいえば、卓上で使えるモニタースピーカーとしては最高峰なんじゃないかなと。
特に小さい音で楽曲を鳴らした時にも、各パートの音がクリアで鮮明に聴き取れるのには正直驚きました。
思わず「あれっ?今ヘッドホンで聴いてたっけ?」と錯覚しそうになるぐらい。
そして、プロが聴いているのとほぼ同じ音が聴けるということは、プロが表現したかった音を自分のデスク上で擬似体験できるということ。
これは考察がはかどりますね。
僕は楽曲を分析するように聴き込みたいという性癖があるので、ほぼ原音状態で聴けるというのはもうたまりません。
さらに僕は、オーディオIFにもプロ仕様の『Babyface Pro FS』を導入しているので、ミニマム構成としては最高レベルの音響環境が構築できていると思います。
環境に合わせてトーンコントロールできる
8010Aは背面にある2種類のトーンコントロールスイッチで、環境に合わせた音響調整ができます。
- ベースチルト:低域の減衰レベルを±0db/-2dB/-4dB/-6dBで調整できる
- デスクトップ:200Hz付近の減衰レベルを±0db/-4dBで調整できる
ベースチルトは壁などの側に置くと膨らんでしまう低域を減衰させることで、フラットなトーンに補正できます。
デスクトップも同様に、デスクなどの反響面上にスピーカーを置いた時にブーストされてしまう200Hz付近を減衰させることができます。
僕はスタンドに乗せているものの、すぐ後ろに壁があるので以下の設定にしています。
- ベースチルト:-4dB
- デスクトップ:±0db
意外とこのトーンコントロールの効果が大きく、ローをカットすることでスッキリとしたクリアな音質に変わりました。
デスクなどに直置きする場合は、デスクトップも減衰させた方が音がブーミーにならず解像度が上がります。
接続するXLRケーブルが設置面に干渉しやすい点に注意
8010Aはコンパクトサイズゆえ、背面で接続するXLRケーブル周りがやや窮屈。
XLR端子が大きいモノや音質重視で硬いケーブルを使用すると、設置面と干渉する可能性があります。
特にスピーカーを上向きにする時に、端子がつっかかって思いどおりの角度に調整できないことも。
そういった理由も含めて、僕はスピーカースタンドを導入しました。
スピーカーを耳に近い高さに持って来れるし、余計な振動を抑えられてより良い音を堪能できるようになりますよ。
『GENELEC 8010A』レビューまとめ
今回は、GENELECの小型モニタースピーカー『8010A』をレビューしました。
- ミニマルな北欧デザインがおしゃれ
- 高解像でフラットかつクリアな音質
- 環境に合わせたトーンコントロールが可能
- 省エネになる自動スタンバイモード機能を搭載
「音が良い」ってのは使う前から分かってはいたけど、実際に使ってみると想像以上でした。
こんな小さいスピーカーから、こんなにもクリアで澄んだ音が鳴るとは…!
そして音だけじゃなく、ホワイトカラーで統一されたミニマルで柔らかいルックスも最高!
質の良さは間違いないので、コンパクトなスピーカーを探していて、かつデザインと音にこだわる人はぜひ導入してみてください。