『RME Babyface Pro FS』レビュー|USB駆動できる最高音質のポータブルオーディオIF
コンパクトサイズと高音質の2つを求めたら、このオーディオインターフェイスに辿り着きました。
- 音質がフラットで超絶クリア
- メーター操作がターンテーブル式で調整しやすい
- コンパクトサイズながら入出力が豊富
- USB駆動ができる
- 専用ソフト(無料)で機能を拡張できる
- 動作が非常に安定している
- ディレイ/リバーブ/EQのDSPエフェクトが使える
- コンプレッサーのDSPエフェクトが使えない
- 電源のON/OFFができない
RME『Babyface Pro FS』の特徴
こちらが今回紹介する、RMEの『Babyface Pro FS』というポータブル型オーディオインターフェイス。
RMEはとにかく音質と動作の安定性に絶対的な信頼性があり、DTMerはもちろんのことVtuberなど配信者の間でも愛用者が多いんだとか。
あの宇多田ヒカルも自宅のスタジオで使っていたというマジもんのプロ機材です。
僕自身も「ミニマル構成かつ良い音で楽曲鑑賞や録音、配信ができるデスク環境を整えたい」という思いがあったので導入を決意…!
購入時の価格は約14万円とかなり奮発した買い物だったけど、後悔なんて微塵も感じさせないほど最高のオーディオIFです。
スペック
サイズ | 幅10.8cm×奥行き18.1cm×高さ3.5cm |
重量 | 680g |
入出力 | 12in / 12out |
アナログ入出力 | 4in / 4out(XLR端子は2つ) |
サンプリングレート | 192kHz/24bit |
接続端子 | USB2.0(USB3でも動作可) |
ヘッドホン端子 | 2基(6.3mmと3.5mm) |
押さえておきたいスペックはこんなところ。
片手サイズながらも入出力は12in / 12outと充実していて、個人で使う分には十分なレベルかなと。
- XLR端子×2
- TRS端子×2
- MIDI入力端子
- ADAT オプティカル
- SPDIF オプティカル
特に、ヘッドホン端子が2基あるのが地味にスゴい。異なるヘッドホンやイヤホンを2本挿して同時に使うことができます。
同梱物
- Babyface Pro FS本体
- USB-B to Cケーブル(USB 2.0)
- USB-B to Aケーブル(USB 2.0)
- MIDIブレイクアウト・ケーブル
- 専用キャリーケース
- セットアップ・ガイド
- 日本語ユーザーガイド
USBケーブルは to AとCの両方が付属しているのがありがたいですね。
しかも端子部分には金メッキ処理が施されていて、細部にまで音へのこだわりが感じられます。
専用ケースは本体とケーブルを固定して収納できるようになっています。
ケースはハードタイプなので、このまま安全に持ち運びができるのが良いですね。
外観デザイン
ボディはアルミ削り出しの贅沢なつくり。約680gのずっしりとした重みも品質の高さを表しているようで。
シルバー基調の本体カラーはApple製品との相性も抜群!
洗練されたデザインとは言いがたいですが、プロ向けに作られたような「無骨さ」は嫌いではないです。
操作パネルは天面にまとまって配置。
ボリュームはインジケータで表示されるので、視覚的に分かりやすくて良き。
ボタン類は必要最低限しかないですが、後述する専用ソフトで細かく設定を弄れます。
メーター操作はターンテーブル式で、指1本でクルクルと回せる操作性が快感。
よくあるつまみ式よりも僕はこっちの方が好みですね。
『Babyface Pro FS』を使ってみて
ここからは、Babyface Pro FSを実際に使ってみて感じたことを紹介していきます。
音質がめっちゃクリアで高解像度
搭載された「SteadyClock FS」回路が強すぎる…!
- 音の揺らぎを表すジッター値をフェムト秒(1,000兆分の1秒)単位で抑制できる
- 音質の色付けや劣化がほぼゼロに
初めてこのオーディオIFを介して楽曲を視聴した時、あまりのクリアさと解像度の高さに感動せざるを得ませんでした。
これがオリジナルの生の音なのかと。
RMEの音に魅力を感じているユーザーも多いみたいなんですが、確かにこのピュアなサウンドの虜になってしまうのも頷けます。
フラットかつ硬めの音なので好き嫌いはあるかもしれないけど、どこまでも澄み渡るような音で奥行きもしっかり感じられるというか。
入出力も192kHz/24bitでハイレゾ対応しているし、DAC用途としても非常に優秀だと感じました。
一緒に導入したGENELECのスピーカーと組み合わせたら、それはもう最高のオーディオ環境に。
USB駆動できるからこその使いやすさ
このオーディオIFはなんと、電源アダプターがなくても使うことができます。
- USBケーブル1本を繋ぐだけで使える
- システム構成がシンプルになる
※iPadやiPhoneと接続して使用するときは別途電源アダプターが必要
見た目もスッキリするし、外で使いたい時にもわざわざ重たい電源アダプターを持ち歩く必要もありません。
こんな風にシンプルな使い方ができるのも、Babyface Pro FSに惹かれた理由のひとつ。
将来、本格的に作曲や配信なども始めたとき、この機動力がきっと役立ってくれるはず。
それでいて動作も安定していて、今まで使っている中で一度も不具合が生じたことはないですね。
普段はデスク上に常設しているんですが、シンプルな雰囲気のデスク環境を構築するのにも貢献してくれています。
ただ、逆にUSB接続時は常に電源がON状態になります。接続時でもオンオフが切り替えられたらもっと良いのにと思いました。
専用ソフト「Total Mix FX」で自在に操れる
機能を最大限に引き出す魔法のソフト。
- DSPエフェクトをかけられる
- デジタルミキサーとして機能させられる
Babyface Pro FSは本体に備わってるボタン類は必要最小限なので、設定を追い込むときは専用ソフト「Total Mix FX」で操作するのが基本となります。
このソフトは無料で使えて、高品質なエフェクト(リバーブ/エコー/EQ)を掛けられるほか、ルーティングや配信に欠かせないループバックなどの設定もできます。
プロユースなソフトなので最初は取っ付きにくい感じなんですが、基本操作がわかれば色々と自由が効くのでスゴく便利なんですよ。
むしろ「Total Mix FXが使えるからRMEの製品を使っている」というユーザーも多いみたい。
ただ一点惜しいのが、Babyface Pro FSでTotal Mix FXを使うときはコンプレッサーのエフェクトが掛けられないんですよね。
上位機種の『Fireface UCX II』などは使えるので、機能を開放してくれたらありがたいなぁと思います。
『Babyface Pro FS』レビューまとめ
今回は、RMEのオーディオインターフェイス『Babyface Pro FS』をレビューしました。
- 音質がフラットで超絶クリア!
- ボリューム調整がターンテーブル式で操作しやすい
- コンパクトサイズながら入出力が豊富
- USB駆動ができる
- 専用ソフト(無料)で機能を拡張できる
- 動作が安定している
ポータブルオーディオIFとしては間違いなく最高峰で、特に音質に関しては文句無しのクオリティ。
RME製品はOSサポートも長期的に対応してくれるので、それこそ10年先も使えるデバイスになるはず。
今はDACとしての用途が主ですが、このポテンシャルを活かして動画制作や作曲、配信にも今後活用していきたいですね。