『Rokid Max』レビュー|高画質で視度調整もできる!映像鑑賞やゲームにおすすめのARグラス

ここ最近、現実世界にデジタルコンテンツを表示できるARグラスが浸透してきてますよね。
場所を選ばず、手軽に作業環境を構築したり、大画面でエンタメなどを楽しめるのが魅力で「僕も一度は体感してみたいなぁ」と思っていました。
そんなところに、なんとRokidさんから『Rokid Max』というARグラスを試させていただく機会を得まして!

- 発色・コントラストに優れたリッチな映像が楽しめる
- ゲーム用途でも使える120Hzの滑らかな映像
- 視度調整可能で矯正無しでも使える(軽近視の場合)
- ARグラスとしては音質も良い(映像のクオリティよりは劣る)
- HDCP対応により幅広い動画配信サービスで利用できる
- 人前で使うにはデザイン性がやや気になる
- 画面下端の映像が少し歪んで見える
- 眉間辺りの発熱が気になる
- 音量・明度設定が電源オフでリセットされる
これが初ARグラスだったので類似製品との比較はできないんですが、まず驚いたのは映像の綺麗さ。こんなにも高精細に見えるとは…!
リアルモニターに勝るとも劣らないリッチな発色とコントラストで、映像コンテンツを鑑賞するのにもってこいのデバイスだと感じました。
また、本体だけで視度調整ができるのも、このARグラスを選ぶ理由になると感じました。ARグラスの中には別途インサートレンズが必要なモノも多いので。
僕は近視がちょっと入っているんですが、裸眼でもピントの合った映像を堪能できるのがとにかく快適…!文字もクッキリはっきり見えます。最高。
そんなRokid Maxについて、特徴や実際の使用感をレビューしていきます。
パワーアップした新モデルが登場!
ロキッド『Rokid Max』の特徴

Rokid(ロキッド)はARの先駆者とも言えるメーカーで、2018年からARグラスを展開されていて。
そのうち、第2世代コンシューマー向けARグラスとしてリリースされたのが、このRokid Maxとなります。
製品スペック
カラー | スペースブルー |
---|---|
サイズ | 使用時:W159×D175×H47mm 折り畳み時:W154×D56×H53mm |
重さ | 75g |
ディスプレイ | Micro-OLED |
画面サイズ | 最大215インチ |
解像度 | FHD 1920×1080 ピクセル RGB(片目あたり) |
コントラスト比 | 100000:1 |
FOV(視野角度) | 50° |
輝度 | 最大600ニト |
リフレッシュレート | 120Hz |
モップ圧力 | 8N |
色域 | sRGB 106%(面積比) |
マイク | HDディレクショナルスピーカー ノイズキャンセリングマイク AI音声制御 |
視度調整 | 0.00D ~ -6.00D |
音量調整 | 10段階 |
明るさ調整 | 6段階 |
センサー | 強化された9軸(IMU) 3DoFヘッドトラッキング 装着検知 |
接続方法 | USB Type-Cケーブル(DisplayPort Alternate Mode) |
価格 | Amazonでチェック |
外観デザイン

本体カラーはスペースブルーというやや珍しい色。
レンズ部分の形状はわりと丸っこいデザインで、一般的なサングラスとはまた違った形状。例えるならゴーグルっぽい感じ?


個人的にはもうちょっと凡庸なデザインの方が「人前でも使いやすかいかな?」と思いました。
色もブラックの方が万人受けしそう。


本体重量は約75gとARグラスの中でも比較的軽いほう。
ですが、付属の遮光カバーを装着すると約87gとそれなりの重さになります。


ノーズパッドは2種類から選択が可能。鼻が当たるパッド部分は柔らかいシリコン素材になっているので、掛け心地は良好です。

智内側の左右には視度調整ダイヤルが。それぞれ個別に「0.00D ~ -6.00D」の範囲で調整できます。
調整できると言っても限度があるので、視力が悪すぎる場合は矯正が必要になる点は押さえておきましょう。

テンプルにはスピーカーなどが内蔵されている関係で、一般的なメガネと比べると厚みがありますね。
とはいえ、掛け心地にはあまり違和感は無かったです。

右側のテンプル下部には、音量調整と明度調整のボタンが。
なお、音量調整の方は+/-の2つのボタンがあるのですが、明度調整の方は1つしかボタンがありません。こっちも2つあると良かったかな。


左側の先セルには接続用のUSB-Cポートがあります。
付属のUSB-Cケーブル等でこのARグラスとデバイスとつなぐだけで映像が映るので、すぐに使い始められるのが良いですね。

ケースは、ブラックカラーのシンプルな見た目。厚みは結構あります。
セミハードぐらいの硬さがあるので、Rokid Maxを安全に持ち運ぶことが可能。


またARグラスの下には、後ほど軽く触れる『Rokid Station』を収納スペースも設けられています。
画面の見え方(イメージ)
Rokid Maxは、最大215インチのスクリーンを表示できるとのこと。
「215インチ」という数字から目の前に超巨大なスクリーンが現れるのかと思っていたんですが、そうではありませんでした。
視線の約6m先に表示される仕様なので、たとえ215インチと言っても実際の感覚としてはこんな感じです。


- 27インチ程度のモニターを見て作業をしている感じ
- 映画館の中央からやや後ろの位置でスクリーンを見ている感じ
なお、人によって感じ方は異なると思いますので、あくまで参考程度に。
迫力満載の大画面を堪能できると思い込んでいたのもあって、ちょっと拍子抜けではありましたが、実用的なモニターサイズにはなっているかと思います。
あと、グラスの掛け方によって画面の一部にケラレや歪みが生じる場合があります。

- 画面上の中央がややケラレる
- 画面下の両端の映像が少し歪む
なるべくグラスを目に近づけるようにセットできると、ケラレや歪みを多少は軽減できました。その辺は要調整ですね。
また、遮光カバーを付けていない状態であれば、周囲の景色もちゃんと確認できます。普通のサングラスみたいな感じ。
ただ、周囲の情報がノイズに感じることもあるので、映像鑑賞など画面に集中したい場合は遮光カバーを付けた方が良いでしょう。
『Rokid Station』との組み合わせでどこでもシアター環境を

Rokid Maxに合わせて『Rokid Station』という専用のポータブルAndroid TV搭載デバイスが用意されています。
- 世界初のGoogle認定ARグラス用ポータブルAndroid TVデバイス
- ポケットサイズでどこでも持ち歩ける
- スマホなしでも映画やゲームなどのエンタメ体験ができる
- 5000mAhバッテリー搭載で連続5時間使用可能
Rokid Max+Rokid Stationがあれば、PCやスマホなどが無くてもどこでもシアター環境を構築できます。
『Rokid Max』を使ってみて
ここからは、Rokid Maxを実際に使ってみて感じたことを紹介していきます。
映像が綺麗すぎてビックリした!

正直、ARグラスの画質なんて「そこそこのレベル」でしょ?
なんて思っていたんですが…すみませんでした!!!!! めちゃくちゃ綺麗です。
個人的な感想ですが、Rokid Maxと同価格帯(5万円程度)のモニターよりも全然綺麗なんでは?と思いました。
SONY製の高品質なマイクロOLEDを採用しているのもあって、高精細なだけでなく発色の良さやコントラストの高さが際立っていて。
片目1080pのとてもリッチな映像を楽しめるので、映画やドラマなどの作品を楽しむ用途としてぜひ持っておきたいデバイスだと感じました。

HDCPにも対応しているので、幅広い動画配信サービスで利用できます。
デジタルコンテンツを暗号化し、著作権付きの映像・音声情報を保護するシステム。NetflixやYouTubeなどの映像配信サービス、その他のHDCPで保護された映像・音声情報を視聴する場合、再生機器と画面の両方ともHDCPに対応している必要があります。
遮光カバーを付ければ、プライベートシアターのような空間をどこでも展開できちゃうのが最高ですわ…!
視度調整できるのがやっぱり良い

せっかくの綺麗な画面も、ピントが合っていなければ意味がありません。
このRokid Maxは「0.00D ~ -6.00D」の範囲で視度調整ができるので、たとえ視力が悪くても矯正なしで綺麗な画面を楽しめます。
これが本当に快適で。僕は近視気味なんですが、裸眼のままARグラスを使えるのが何より快適…!
矯正が必要だったり別途インサートレンズを用意するのって面倒だし、ARグラスに手を出すのが億劫に感じると思います。実際、僕もそうでした。
でも多少の近視なら気にせず使い始められるし、手軽に使えるからこそ日々使い倒したくなるデバイスになるんだろうなと思います。
ゲーム用途にも使える。Switchとの組み合わせが良い感じ!

Rokid Maxは120Hzの高リフレッシュレートに対応。ゲーム画面もぬるぬる動きます。
Switch 2なら最大120Hzの映像出力が可能らしいので、その性能を存分に味わえるのが良いですね。
なお、Rokid Max単体ではSwitchと接続して使うことはできず、給電と映像出力を備えたUSB-Cハブを介して給電しながら使う必要があります。


僕は『Hagibis ARグラスアダプター』という他社製品を購入してみたのですが、問題なく使えました。
ちなみに、普段は外部モニターにつなげて腰を据えてゲームをすることが多いんですが、
今日はベッドでリラックスしながらゲームしたい気分
→ でもSwitch本体の画面じゃ物足りないなぁ…
ってような時に、このARグラスが大活躍してくれます!
「気持ちはライトに。でも本格的な映像でプレイしたい」という隙間の要望を叶えてくれるのが、このデバイスの良さだと感じました。
ARグラスとしてはスピーカーの音質が良い

正直、Rokid Maxは映像のレベルがかなり高いだけに、比較すると音質が二段ぐらい物足りないように感じます。
特に僕は音質にはうるさい方なので、厳しく評価すると気になる点は色々あります。
- 映像の美麗さに対してサウンドの迫力が足りない
- 音の立体感が乏しい
- 高音がシャリシャリして耳に刺さる
- 低音がこもって聞こえる
ただ、これは普段『GENELEC 8010A』という高音質スピーカーの音に聴き慣れているからであって、ARグラスとしては音質もそれなりにレベルが高いです。
「別にイヤホンを用意しなくても良いかな」と思える程度の音質が備わっているのは、Rokid Maxの強みだと感じました。
眉間の発熱がわりと気になる

総じて満足度の高いRokid Maxですが、どうしても気になった点が2つあります。
その1つが、ブリッジの眉間辺りの発熱。
動きのある映像を見ている時に「ん?なんか眉間辺りが熱いな…?」と感じることが度々あります。熱い時は低温やけど一歩手前ぐらいの熱さに。
デスクワーク的な軽作業をするぐらいなら全然発熱しないんですけど、発熱があると眉間辺りが蒸れちゃうのが気になるところ。なんか肌荒れしそうなので…。
音量・明度調整がリセットされるのがちょっとストレス

もう1つ気になったのが、音量と明度の設定。
デバイスとの接続を切ってグラスの電源が落ちると、両方とも設定がリセットされるんですよね。
音量はまだ良いとして、明度は調整用のボタンが1つしかないので調整が煩わしいんですよね。
明度6→明度5→明度4→明度3→明度2→明度1→明度6(以下ループ)
こんな感じで毎回一番明るい状態から設定し直さないといけないし、明度6は結構眩しくて目に刺さるので、毎回の初期設定がちょっとストレスに感じます。
せめて一番暗い明度1の状態からスタートするか、ボタンを2つにして明度3からプラマイ調整できると良かったかなと思いました。
『Rokid Max』レビューまとめ

今回は、RokidのARグラス『Rokid Max』をレビューしました。
- ARグラスでも綺麗な映像を楽しみたい人
- 音質にもそれなりにこだわりのある人
- 映像鑑賞やゲーム用途で使いたい人
- 視力がちょっと悪い人
今回、初めてARグラスを体験したのもあって、率直に「もうここまでの完成度になっているのか…!」と驚きました。
発熱やケラレ、音量・明度設定など、ハード面については改善してほしい部分もありますが。
とはいえ、映像のクオリティが想像以上で、よっぽど色味にこだわりがない限りは十分満足できるレベルなんじゃないかと。
デスクワークするために導入するというのはまだ時期尚早な気はしますが、エンタメを楽しむ用途としてARグラスを持っておくのはアリだと思います。
ARグラスの中では価格も控えめな方ではあるので、総じてコスパも高いです。気になった人はぜひチェックしてみてください。
パワーアップした新モデルが登場!