..ととのえました。
心地良いチューニング。1万円で買える高音質ワイヤレスイヤホン『NUARL N6 Pro』

ワイヤレスでも良い音で聴きたいーーー
ワイヤレスイヤホンといえば、僕は『AirPods Pro』をずっと愛用しています。
カナル型の快適な着け心地と圧倒的なノイズキャンセル機能が気に入っているんですが、唯一、音質の悪さがどうしても不満でして。
だから『AirPods Pro』とは別に、音質重視のイヤホンが欲しいと常々思っていました。
僕が求めている音の指向は
- 味付けの少ないナチュラルな音
- 解像度が高いけど聴き疲れしにくい
- 女性ボーカルが綺麗に聴こえる
といった感じ。
そんなイヤホンがないかなぁと比較検討した中で、良さげだと思ったのが『NUARL N6 Pro』というイヤホン。
Amazonなら約1万円で購入できて、この価格帯にしては十分満足できる音を奏でてくれました。
良い音を手頃に楽しめる完全ワイヤレスイヤホン『NUARL N6 Pro』

「NUARL」はちょっと聞き慣れないブランドかもしれませんが、音質に定評のあるイヤホンを多数手掛けています。
その中の1つ『NUARL N6 Pro』は、音楽を聴くイヤホンとしての「音質」が重視されたモデル。

こちらがイヤホンケースです。
マットな質感のため指紋が付きやすいのが難点ですが、サラサラとした手触りで見た目は上品。
ケースサイズは、72.0×37.0×38.5mmと厚みもあって大きく感じます。

蓋を開けると、イヤホン本体がお目見え。
ブラックの筐体にカッパーで彩られた物理ボタンが良いアクセントになっています。


イヤホン本体もかなり大きめで、装着すると耳から少し飛び出して見えます。
ただ、ノズル部分は細身でイヤーループも付いているので、装着性は意外と良い感じ。
参考までに、完全ワイヤレスイヤホン界のスタンダード『AirPods Pro』とサイズ感を比較してみました。


音質にこだわった仕上がり

音質が重視されたモデルなだけあって、こだわりの素材と機能がてんこ盛り。
最強グレードの高等級ネオジム磁石を使用し、熱減磁を抑え追従性に優れたφ6.0mmダイナミック型フルレンジドライバーが搭載。
そして、アナログとデジタル音調を組み合わせたハイブリッドチューニングにより、これまでにはない繊細な表現が再現されているとのこと。
さらに、aptX / AACの高音質・低遅延コーデックに対応しているのも注目ポイント。
一方、ノイズキャンセルや専用アプリによるイコライザー機能は搭載されていません。
その分、音質に全集中するといった意欲が感じ取れる仕様に仕上がっています。
これは期待が持てますね…!
イヤホン単体で連続11時間再生

ワイヤレスイヤホンの使い勝手を左右する要素の1つが、バッテリーの持ち時間。
『NUARL N6 Pro』は、イヤホン単体で最大約11時間の連続再生が可能で、充電ケースとの併用で最大55時間の音楽再生を実現。
実際に使ってみると、残量80%を切ることが滅多にないぐらいバッテリーの持ちが良い。
しかも、USB-C接続による高速充電に対応していて、たった15分の充電で約2時間も使用できます。
使いたい時に限ってのバッテリー切れはストレスにしかならないので、このロングバッテリーと高速充電対応はありがたい。
物理ボタンだからこその快適な操作感

『NUARL N6 Pro』は物理ボタンが左右それぞれに3つ付いています。
タッチセンサー式と違って誤操作が圧倒的に少ないので、操作がとにかく快適。
必要な操作は基本イヤホン側で操作できます。
- 再生/停止:メインボタンを1回押す
- 次の曲へ:フロントボタンを2秒間長押し
- 前の曲へ:リアボタンを2秒間長押し
- 音量を上げる:リアボタンを1回押す
- 音量を下げる:フロントボタンを1回押す
- Siri/Google起動:メインボタンを電子音が1回鳴るまで長押しして離す
- 電源オン:左右それぞれのメインボタンを1回押す
- 電源オフ:左右それぞれのメインボタンを電子音が2回鳴るまで長押しして離す
個人的には、音量上げ下げのボタンは逆が良かったなぁと。
なんとなくフロントボタンが音量アップの方がしっくりくる。
気になる音質チェック
さて、一体どんな音を奏でてくれるのか。
僕も忖度なしのガチ評価をしたいので、最近鬼リピしている水瀬いのりの楽曲を試聴してみます。
ということで、僕の1番好きなアルバム『BLUE COMPASS』からジャンル別に5曲をセレクト。
ちなみに、僕は別売の『NUARL Magic Ear+ for TWS』のイヤーチップを付けているので、その上での評価とします。
このイヤーチップはコンプライのようなウレタンフォームで、これを付けると低音域と遮音性がアップします。
水瀬いのり『BLUE COMPASS』を試聴

余談ですが、このアルバムがめちゃくちゃ良いんですよ。ということでこっそり宣伝。
全曲試聴動画を置いておきますので、ぜひ曲を聴きながらレビューと照らし合わせてみてください。
01. ハートノイロ
アルバムの始まりにふさわしい明るいアップテンポなナンバー。
中高域が綺麗に響くイヤホンなので、彼女の伸びの良い歌声が力強く乗ってきます。
特にサビの最高音がガツンと来る感じは聞いてて気持ちがいいですね。
音の分離感も良く、左右のギターや後ろで鳴っているピアノが煌びやかに聞こえてきます。
Bメロやサビで聴こえる動きのあるベース音も輪郭がくっきりしていて、躍動感があります。
一方、ドラムに関してはビートの速いフレーズが、若干もたついているように感じました。
03. identity
ギター音に厚みのあるロックな楽曲。
音をしっかり捉えてくれるイヤホンだから、ディストーションの深い左右2本のギターの音圧をたっぷり感じられます。
もう1本、中央で鳴っているリードギターも存在感があって、この楽曲のカッコ良さに磨きをかけています。
また、ベース音が結構締まって聞こえて、楽曲全体をシャープにまとめてくれてるように感じました。
ただ、ちょっとボーカルの高音が刺さる箇所があったのと、ギター音がとても濃厚に聴こえるので、この手の楽曲は聴き疲れしやすいかも。
04. Shoo-Bee-Doo-Wap-Wap!
ブラスをはじめ、多彩な楽器が盛り込まれたポップで楽しいスルメ曲。
イントロが始まると、色んな楽器の音が波のように押し寄せてきます。
音の情報量が多いイントロとかはやや解像度に欠ける感じはあるけれど、それぞれの楽器の定位感は上手く表現していると思う。
Aメロに入ると聴こえる、コーラスがかかった歯切れの良いギターのカッティング音が心地良い。
サビに入ると、ボーカルの幾重にも重なったコーラスが立体的に表現されていて、音のカーニバルに入り込んだかのよう。
何度聞いても新しい発見があるような、楽しいリスニング体験ができます。
個人的に『NUARL N6 Pro』との相性が、このアルバムの中では1番良いと感じました。
08. アルペジオ
四つ打ちが印象的なダンスナンバー。
サビで聴けるボーカルの裏声や、ボーカルにかかったリバーブの繊細な表現が高評価。
四つ打ちもズンズン来る感じで、聴いてて気分がノってきます。
やはり中高域が綺麗に聴こえるイヤホンなので、こういった電子音がキラキラ鳴っている楽曲とも相性が良いのかなと思います。
ただ、サビに入って音の情報量が増えてくると、若干ゴチャついて聴こえるような気もします。
12. BLUE COMPASS
アルバムのラストを飾る壮大なバラードナンバー。
リバーブの効いたピアノの澄んだ音から始まり、そこに重なるボーカルとのハーモニーが美しい。
サビ前からストリングスも加わって、サビ終わりからアコギ、ベース、ドラムと少しずつ音が足されていき、広がりが生まれてきます。
バラードのようなしっとりとした表現はナチュラルでとても上手いなと感じました。
ただ、このイヤホンは音場が狭く、耳の周りまでしか音が広がってこないので、この楽曲の聴きどころでもある壮大さが欠けてしまっています。
頭のてっぺんまで響き渡るような広がりが表現ができていたら、さらに良いのになぁと思いました。
全体を通しての感想
第一印象としては、有線イヤホンで聴いているのかと勘違いしてしまうぐらい、繊細な表現が得意なイヤホンだと思いました。
特に中高域に煌びやかさがあって、女性ボーカルやアコースティックな楽曲にはピッタリだと思います。
解像度もそこそこあって、音の分離感も感じられるので、楽器1つ1つの音が明確に聴こえてきます。
個人的にはベース音の表現が好みで、ゴリゴリではないけど輪郭のある締まった音がいい感じです。
一方、よく耳を澄ませてみると、音の情報量が多い場面では少し音が潰れるというかゴチャついて雑に聴こえるような印象がありました。
また、ドラムが若干こもり気味に聴こえるので、楽曲によっては疾走感がやや欠けるかなという時も。
あと、音場がやっぱり狭いですね。
中高域の聴き心地を重視する人におすすめのイヤホン

今回は『NUARL N6 Pro』について、実際に楽曲を聴き比べしながら、音質を中心にレビューしてみました。
辛口になっている部分もありますが、1万円でこの音質を手に入れられるなら、十分満足のいくイヤホンだと思います。
僕的には、とても聴き心地のよいチューニングがされたイヤホンだなと感じました。
ロック系の激しい楽曲は不得意な感じですが、アコースティックな楽曲は綺麗に鳴らしてくれるので、そういったジャンルを良く聴く人にはおすすめです。
あと、イヤホン本体が少し大きめなので、耳にフィットしそうかその辺も注意しながらぜひ試してみてください。
次の乗り換え候補が見つかるまで、しばらく使い続けようと思います。